坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

2010-01-01から1年間の記事一覧

10月23日午後6時

2007年にフランスで出した本「パッシヴィテ・アクティヴ」、日本で買って頂いた方もいるので日本語テキストを作ると言うのが3年前からの課題だった。自分で書いた仏語を翻訳するのは愚かしいし、仏文だろうと和文だろうと同じことをするのは気が乗らないので…

走れウサギ

http://sakata.eizo.perso.neuf.fr/lapins_M.jpg 現地制作の作品では、その場所で特別なものに出くわせて瞬間にアイデアが浮かぶものと、あーでもないこーでもないと考えながら徐々に出来上がるものがある。先日のドレスは後者で、このウサギは前者。3月の現…

ローブ・ド・マリエ

写真はノルマンディー地方、ロック・ベニヤール(Roque-Baignard)村での作品。森の中に白い大きなドレス(高さ約5m)を釣り下げた。木漏れ日が和紙のような感じの布(実は雑草よけとかに使う園芸、菜園用のもの)にあたってできる「光の刺繍」をスカートの…

櫻井みどりさん逝去

クルーズ地方から6/27(日)に戻り、その翌日から11日までノルマンディーに。その間に入院中の親友のMさんの病態が悪化、10日(土)に亡くなった。訃報はオープニングのパーティー中に受け取った。昨年はほぼ同じ時期、カンタル地方での制作中に私のリトの先…

実話クルーズの騎士

決まったスタイルのない坂田英三とはいえ、懸命なる読者の方は私が騎馬像を造ったことに疑問を感じられるに違いない。実際これは私も理屈を付けがたい作品なのだ。アイデアのそもそもはブルターニュ地方の「逆流」というテーマで、川、池の水面に作品を作る…

クルーズの騎士

組み立ての都合のために裸だった部分(地面に打った金属バーに固定せねばならなかった馬の足など)をオレンジのプラスチックで覆ってお昼過ぎにできあがり。像のタイトル、正確には、後にある史跡のブリディエ(Bridier)の塔にちなんで「ブリディエの騎士」と…

クルーズの現実

今日は運送屋さんとクルーズ(Creuse)地方へ騎士像を運ぶ日だったが、政府の退職年金制度改革案反対で久しぶりに大規模なストが見込まれているので、昨日の夜にトラックに像を入れ、今朝何と5時に出発!朝8時半に現地に着いたので1日中仕事をすれば夜7時…

エルズルムの作品

前回の写真でも分るように、エルズルムのシンポジウムでは「大蛇シリーズ」を描いた。このシリーズは普通1年に一つしかできない。自分のアトリエでは色々なモチーフの区画をマスキングテープで保護しつつ、相互の色のバランスを見て試行錯誤、だから非常に手…

シンポジウムの毎日

エルズルムのシンポジウムの毎日がいかなるものだったかというと、昨日写真のホールに大勢の人(大多数は学生)が訪れ画家が制作するのを見るのであるが、困ったことには多くの人が写真を撮りたがる。思案中でも「写真を撮るから描いてくれ」とか、製作中で…

画家のシンポジウム

シンポジウムなどというと何か学術的に思われるが、語源となる古代ギリシャ語では「一緒に酒を飲む」ということらしく、アーティストのシンポジウムなどはまさにその枠をでない(トルコはイスラム国なので昼間からビールを飲む訳にはいかなかったが、、、)…

懐かしのエルズルム

先月のエルズルムのシンポジウムに参加したブルガリアの画家から写真が送られて来た。パリに戻って以来色々なことがあったので、2週間前までのトルコ滞在が遥か昔の事のように思われる。友人Mさんの病状は油断を許さぬまま、高齢の御両親の心労は察してあま…

ブログのお休み

金曜夜にエルズルムを発ちイスタンブール空港で仮眠、朝パリに着き展覧会をこなすという20代以来の強行軍スケジュールをこなした。オクスフォードの悲劇、トルコ美人のことなど書くことは一杯だが、パリの親友が倒れて入院、御家族が来られて、、、とその暇…

オクスフォード経由トルコ

明朝ユーロスターでロンドン、それからオクスフォードで友人夫婦の金婚式記念の大昼餐会。夜にヒースローからトルコに発ちエルズルムに朝着く。こんな無茶苦茶な日程になったのはトルコの返事が延び延びだったから(4/21参照)だが、トルコ東部の内陸部など…

サン・ド・グラース

春になって気候がよくなったと安心していると急に寒が戻って霜が降り植木をダメにしたりするので、サン・ド・グラース(Saints de glace:5月11~13日)を過ぎるまでは気を付けなさいというのが昔からの暦の言い伝えなのだが、今年の寒の戻りは寒いし長過ぎる…

クイーンズデイ

オランダから戻って以来、カタログ用のテキストを書き、サイトに「火山」をアップロード、同時に29日の展覧会用の作品を額装、その最低限の通知(日曜日からトルコ行きなので今週中にすべてしておかねばならない)、それにクルーズからパンフレット用に白黒…

オランダ、自然公園での制作

金曜の夜中にオランダから戻った。もう春と見込んでいたのだが、結構寒くて、半分は雨天、かつオランダはやはり埋め立て地の零メートル地帯で運河が網の目のように走っているからやはり湿度が高く、寒さがこたえた。こうした人工の土地ながら自然公園の植生…

無題

5月29日の展覧会に出す予定の塩のデッサン(例えば12/4写真参考)は、紙の上に結晶ができているので、ガラスがデッサンがくっついてはならない。裸のまま、或いは箱型の額で浮かせてと思っていたのだが、フランスでは箱型の額が意外に珍しい。サイトを検索す…

トルコからの招待状

アトリエ建物内のトルコ人画家Aの口利きで紹介されたトルコの画家のコロニー。3月が5月初旬になり、それも延期と言うことでもう当てにしていなかったのだが、今日メールで突然招待状が届いた。5月15日から28日まで。既に16-17日はイギリスでの友達の結婚記念…

食欲の春

私のアトリエはそうでもないが、外はもう春。金曜に偶然昔住んでいた12区の朝市を通ったら、真っ赤になったイチゴが山済みでキロ2ユーロでシャベルですくって売っていたので嬉しくなって買い、あっさりその日の内に平らげた。もっと美味しいイチゴはいくらで…

千載一遇のチャンス

朝突然やってきた「物見の塔」の勧誘を追い返したと思ったら、すぐまた扉のベルが鳴った。出て行くと同建物内に住む画家と坊主頭の大男が立っている。坊主頭のムッシュはベルリンの画廊主だそうで、私が扉に貼ってある本のポスターを見てそれを見たいと言う…

サリンジャー症候群

サリンジャーの死を悼んだジャン=シャルル君の文章を2月7日に載せたが、実家の本棚を探ると、黄ばんでかつ活字が薄くなった文庫本の「ナイン・ストーリーズ」(野崎孝訳)が出て来た。ジャン=シャルルのレジュメを読んでもどんな話だったか思い出せない私だ…

心機一転

私のポータブルコンピュータ、完全にイカレポンタンになってスクリーンが着いたり消えたり(というよりほとんどつかない)。だが旅行中にそのぐらいの仕事はと、5月末の友達のG君の詩集の発表を兼ねた1日展のカードをレイアウトした。というのも4月末からオ…

ブログのお休み

公共交通ストの朝に結構ぎりぎりにチェックインに滑り込み。現在旅行中、ポータブルコンピューターの調子もおかしいのでブログはちょっとお休みです。戻ってから書き直しますが、特記すべきこととしては、空港のショップで店員がぶらぶらして客の相手もしそ…

日本人のなぞ

頼まれ物を買いにセーヌ通りにあるダ・ローザ(Da Rosa)という店に買物に行った。わたしはこの種の「日本で評判の店」の類いを全く知らないのだが、入った瞬間ヤバイ雰囲気。客が日本人しかいない。売り子のお姉さんはボンジュールとも言わない。あの急にニコ…

忘れた頃のカタログ

昨年夏の結構ハードだったが気の良い参加アーティストに恵まれ、結局は楽しい思い出になったアルプスでのレジデンス(09/6/11~29日参考)、オープニングでのコンサートが一つキャンセルになったので企画者はそれでカタログを作ると言っていた。ミュージシャ…

シンメトリーの不思議な世界

名古屋、本郷のLギャラリーで4月10日から「シンメトリー」というテーマでグループ展が始まる。時間がないので12月のアリス展に作ったボトルを流用することにした。シンメトリーボトルのためにまたロゼワインを1本空け、制作にあたったが、簡単なつもりが4ヵ…

その後

3/4に書いた大腸癌検査、結果は異常なし。あーよかった。でも2年後に(義務ではないが)またあの難しい検便をさせられるらしい。ノムマンディーの企画(3/9-10)のヒントにとアンドレ・ジッドを図書館で借りてきたが、全然面白くない。彼の時代にはおそらく…

もう一つの日本

岩名さんが彼のブログで憂いている「幼稚な教育も幼稚な政治」も、幼稚な国民が支えているのだから致し方ないと私は覚めていたのだが、タケシ展にあれほど腹が立つのは、やっぱりもう少し日本がまともであってほしいという愛国心が私にも少しはあるのだろう…

低俗、あまりにも低俗な

私のブログは2006年3月4日、カルチエ財団の展覧会の悪口で始まったのだが、昨日のキタノ・ビート・タケシ展は日本の文化程度の低さまるだしの、あまりにもひどい展覧会で絶句。低俗と言うのは何かというと、幼稚な面白さ。私は面白いことが悪いことだとは思…

アンドレ・ジッドの村

舞踏+映画の岩名さん(映画第1作の私もお手伝いした「朱霊達」は数々の映画祭に選ばれ、ロンドンのインデペンデントフィルムフェスティバルのベストフィルムになったことはもう書いたが、新作の「夏の家族」もロッテルダムに続きブエノスアイレスの映画祭に…