坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

日本人のなぞ

頼まれ物を買いにセーヌ通りにあるダ・ローザ(Da Rosa)という店に買物に行った。わたしはこの種の「日本で評判の店」の類いを全く知らないのだが、入った瞬間ヤバイ雰囲気。客が日本人しかいない。売り子のお姉さんはボンジュールとも言わない。あの急にニコっとする、フランス人の得意な作り笑いをしたら皺がよるだけ損だとでもいいたげな仏頂顔だ。客の順番も把握していない(だから私は自分の正当な順番を主張した)。あまりの無愛想さに気分が悪くなり買物は最低限に済ませたが、お釣がなくて待たされ、それにも一言も詫びがない。店員間の雰囲気も殺伐としている。もうやめて帰ろうかと思ったが、散歩がてらとはいえ、用もないのにここまで来たのが因果。だがもう2度と行かない。
「お客さまは神様」の日本に比べるとのフランスの店員の無愛想は言うまでもない。しかし何故親切なサービスを当然としている国民がこの対応に耐えて買物ができるのだろう。この店員は日本人を皆同じものを選んで従順に並ぶ、言葉のできない羊としてしか見ていないのだ。情けないが私もその一頭と成り果て、久しぶりに悪評高かった30年ほど前のルイ・ヴィトンの客あしらいを思い出した(あれも一度行って懲りた)。折角の良い天気だったのに、あー気分悪。羊がいなければ狼も商売あがったりなのだから。

註:ダ・ローザの客扱いが常に悪いのかは知る由もないが、今日の店員に比べたら家の近くのスーパーのレジの疲れ気味のお姉さんの方がよっぽど愛想ある。一度でバツにするのは、相手は客商売、ミシュランの審査員だって同じこと。