坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

「スポーツとしての資本主義」のすすめ

イメージ 1

前大統領サルコジーは税金が所得の半分以上課せられるのは馬鹿げているとして、就任早々高額所得者の税を下げたが、それに対し社会党オランドは金持ちは税金を払うべしと「一人百万ユーロ以上の所得には75%課税する」ことを公約に謳い当選した、その「目玉」法案が年末、憲法顧問委員会に却下されてしまった。これはイデオロギー的なものではなく、個人ではなく家庭単位の収入に課税している税制にそぐわないという理由からで、社会党は秋ぐらいには新法案を提出する予定。

私には百万ユーロ(約一億二千万円)の年収があったらどうすればいいのか想像しがたいが、おそらくは生活に困らない。私ならそこで(実際はずっとそれ以下で)満足してそれ以上金儲けなどしようとは思わないのだが、実業家の人はそうでない。おそらく彼らはそれ(商売のスリルとか他の企業との競争など)が好きでしょうがない、生き甲斐なのだろう(としか私には思えない)。だがこの熱意が極端な富の集中となり人迷惑、すなわち社会経済的軋轢を起こしているのは誰の目にも明らか。そこで私の提案。

釣った魚を放すSport Fishingというのがあるが、そらにならって純然と楽しみを追求してもらい、75%どころかある一定の金額以上は100%課税(収入全額が取られるのではなく、規定額からの超過分に対してですので間違えないように。これは75%の話も同じです)するのがSport Capitalism。競争はどれだけ税を納めたかで争ってもらえばいい。世界所得者番付でなく納税者番付。どうでしょう?

残念ながらこれはうまく行きそうもない。というのも大金持ちでないフランス(多分世界の)一般国民も「税金を払うのは大馬鹿者だ」と思っているからだ(所得税申告シーズンにはいかに税金を控除するかと言う特集雑誌などがわんさと出る)。というのは税金が有効に使われてないと思っている、つまりは政府を否定しているからで、それならサルコジーと同じ、病院も社会保険も牢獄も市場におろすネオリベに行くしかない。それはいやでしょ?なら貴方の理想とは遠くとも政府が社会不正義を是正しうることを信じ、かつ個人の経済活動も尊重しつつ徐々に意識革命に誘う、それがSport Capitalismなのです。

昨日70%近いスイス人が国民投票で極端な高額収入を制限する案に賛成したのに刺激されて、私の夢の施策を披露しました。

写真は全く関係ない、私が感心している街角の宣伝のポスター。ネコのオードリ・ヘップバーンもまあまあ、ブヨブヨ犬のドゥパルヂューはロシアパスポートがなければ(2/15参考)誰かは???の出来