坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

もう一つの日本

岩名さんが彼のブログで憂いている「幼稚な教育も幼稚な政治」も、幼稚な国民が支えているのだから致し方ないと私は覚めていたのだが、タケシ展にあれほど腹が立つのは、やっぱりもう少し日本がまともであってほしいという愛国心が私にも少しはあるのだろうか? それとも「悪貨が良貨を駆逐する」グローバルな世界文化では、日本がいつも先端を行っているので憂うのか? まあここで私がいくら苦言しても世の中には何の影響もない。投書にあったような日本のメディアの一部でも辛口の批判を言う人がいればいいのだが、、、。

ところで自動翻訳サイトで翻訳をして訳の分らない文章が出て来て、使いものにならないな-と思われた経験のある方は多いだろう。一昨年ウズベキスタン(2008年10月参考)に一緒に行った石井さんが「詩人の春」という催しの一環で、これを利用した面白いプロジェクトをしている。日本の俳句を自動翻訳させて新しいシュールな詩を作る。発展中のテクノロジーを逆手にとった、シュールレアリストの自動筆記の現代バージョン、聞いただけでも何か「けったいなもの」が出て来そうだなーと期待してしまう。タケシのインスタレーションが浅薄なパロディーで笑い(冷笑)をかうにすぎないのに比べ、石井さんのは少なくとも2回半ほどのひねりがある、本当の芸術的「本歌取り」だ。タケシさんとその信奉者の方のご参考に。

註1:これをタケシの作品批判に使うことは私の一存、石井さんの了解なしなので誤解のないように
註2:彼のサイトはhttp://www.reart.net/

日本版もあるという週間新聞「クリエ・アンテルナショナル」の特集号の宣伝が地下鉄に張ってあった。題して「もう一つの日本」。マンガとかJ-POPなどが紹介されているようだが、こちら(+タケシ)が現実の日本で、本当は禅や能で代表されてきた日本が「もう一つの日本」なのですよねー。皮肉だな-。

後記:よく宣伝をみたら「もう一つの日本の大勝利」でした。ほんとですねー。