坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

画家のシンポジウム

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シンポジウムなどというと何か学術的に思われるが、語源となる古代ギリシャ語では「一緒に酒を飲む」ということらしく、アーティストのシンポジウムなどはまさにその枠をでない(トルコはイスラム国なので昼間からビールを飲む訳にはいかなかったが、、、)。

私がよく行く野外アートフェスティバルをシンポジウムと呼ぶアーティストもいる。野外企画は現地に作品を設置するので作家が何日もその場にいって仕事をすることに必然性があるのだが、絵の場合は風景でもかかない限り、あるいは何週間も滞在してからインスピレーションを得てから制作しはじめない限りその必然性がない。だからどういうことになるのだろうと思って行ったが、会場の大学では大きなホールに十数人の招待画家全員がキャンバスを並べて制作することになっていた(写真)。美術学校にも行っていない私にはほぼ初めての経験で、白地のキャンバスから用意された基本原色しかないといってよいベーシックな絵具を使い2週間まるまる文字どおり現地制作に励んだが、トルコの先生方(ほぼ全員が教授)の中には、出来上がった絵を持って来て現地で木わくに張って「はい終り」という人もいた。作品がどうのこうのというより、シンポジウムの意図は何なのだと問いたくなるが、上記の語源からいえば「そんな堅いこと言わなくても、、、」ということになる。色々な会食や遠足旅行も企画され、結局大学の先生の慰安会みたいなもと私は結論した。