坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

走れウサギ

http://sakata.eizo.perso.neuf.fr/lapins_M.jpg
現地制作の作品では、その場所で特別なものに出くわせて瞬間にアイデアが浮かぶものと、あーでもないこーでもないと考えながら徐々に出来上がるものがある。先日のドレスは後者で、このウサギは前者。3月の現地視察で牧場の囲いとなった昔の枕木を見てすぐにウサギを走らせたくなった。とはいえ粘土で作ったウサギは高さ15-20センチ程度、広々とした牧場が広がる背景には小さすぎるから、だめかなと思っていたが、写真より実際にはずっと存在感があって、「感動的だ」と言ってくれる人までいた。多少劇的なのはこの牧場に出るまでは緑に囲まれたトンネルのような道を何分か歩く、それを出た瞬間ウサギの後ろ姿が並んでいるのが見え、歩きながらウサギを追い抜かして行くことになる。こういう設定がパッと頭に浮かぶのは不思議なことだと自分で思う。最後の杭まで走りきる以外にはどうしようもない人生を選んだゆえだろうか?