坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

ショーモン報告

パリにもやっと夏が来て今週は毎日30度を越す暑さになったが、我がアトリエは自然冷房で朝から晩まで21度で一定、快適快適。調子に乗って「毎日一枚」のデッサンを大きなサイズで挑戦することにしたのだが大失敗続き(最近簡単に止めずに手を入れすぎるとわかっていながら、、、)。ストックの紙が底をつきそうだから注文したところすぐ電話があった。喜んで老舗の画材屋に取りに行ったらサイズ間違いで、売り子さんは「またやり直し~」なんて暢気なもの。それに続いて新たな雨の技法挑戦のためサイトで買った小道具、メールで指定された店に取りに行ったら休みになっていた。「これだからなーフランスは」と文句が言いたくなる。

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天気予報で「きょうまでは雷もない好天」とのお墨付きだった木曜、この夏一番の暑さの中、ロワール川湖畔のショーモン Chaumont 城へ出かけた。ここは夏期にガーデンフェスティバルが催されて有名。公募形式で20近くのグループが選ばれ、夏毎に話題になるので「業界トップのトップの世界」と思っていたが、行ってみると、これなら私でも応募できそうと思うほど意外にたいしたことはなかった。特に細部の「仕上げ」がいいかげん、制作期間の制約かもしれない。短期間に全グループが一同に造園をしている光景を想像するとまさに戦場か?

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私は現代美術より庭の方によっぽど興味があったのだが、結局城の敷地内に点在する有名アーティスト(川俣さんとか写真のDoughertyとか)の、まあいつも同じような屋外作品の方がすっきりしていて見甲斐があった。何せ広いので全ては見ていないが、一番フレッシュで迫力があったのは、解りにくい作品も多い現代アートの大御所(1936年生)のクネリス Kounellisの、城の地下に、最上部にロープで鐘をくくりつけた大きな角材を林立させたインスタレーション(残念ながら全然写真におさまりきらない。かつこんなの見たことないぞ!)。そしてショーモン城で一番すばらしかったのは、係員が全員親切で、質問にも丁寧に答えてくれたことだった(パリの美術館とは大違い)。

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ところで写真のDoughertyはいつもこれだし何やらお伽噺風なところが嫌い。パリの花火の70年代ディスコ、アバやビージーズなど身の毛がよだつほど大嫌いですので、私の趣味を誤解なさらないように。


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