坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

マックスおじさんの見えないアート

JP君は自分のアトリエで時々人を呼んで展覧会を開くのだが、今日のMax HORDEさんのイベントのタイトルは「不可視よりも見えないものはない」という変なタイトル。行ってみたらマックスおじさんは説明しながら不可視の線をトレースしたり彫刻を作ったり。そしてその合間にお友達のさんがチューインガム彫刻。ただガムを捻くるのではなく、噛みながらすべて口の中で制作、できあがると口から出てくる。そして今度はマックスさん、若い甥を紹介、JPにアトリエの白壁にグラフィティーをしていいかと言い出す。これには一瞬JP君もたじろいた風だったが、「アーティストが好きなことをする」という主旨の展覧会だから渋々(?)同意。
そして甥がスプレーをシューっと出し始めたら大笑い。これも透明スプレーの不可視グラフィティー。「これは甥のアイデアで、俺のパーフォーマンスより出来がいいじゃないか」なんて言っている。それから最後におばさんアーティストが3秒間垂れ乳を露出するという飛び込みパーフォーマンス(?)もあって、変な夕べだったが、なかなか清々しかった。
というのも人の縁(?)で週末にいかにも知的で難解な「現代美術」の大インスタレーションと、箸にも棒にもかからぬグランパレのサロンという美術界の両極端を梯子してしまい、我ながら改めて「芸術とは何か」と自問し、オリジナルなものを作る難しさを痛感していたところだったのだが、大したキャリアも築けなくても独自で阿呆なことを地道に続けてきた中年を越すアーティストを見て何故か気分がよくなった。
しかし私もJP君から好感をもたれ、来年の秋に何かやってくれと頼まれている。私も彼らのような変ちくりんアーティストの類いと言うことか。まあいいけど今晩のような大パーフォーマンスを見ると何をしたらよいやら。困ってしまう。