坂田英三 旧ブログ

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2011年の企画

今年は結構頑張ったと思うのだが、私の仕事は特に毎回違うものを作っているからか、残念ながら企画者からお誘いがかかるということは一向になく、いつでも仕事を探していなければならない。鬼が笑おうと泣こうと来年の計画を立てねばならないのだが、既に書いたようにピレネー山脈の村での2ヵ月のレジデンスがある。3月から7月までの間を選べるということで、かなり迷った。というのも私の野外制作は大抵5~7月だから、色々仕事ができるようにするなら3-4月を選ぶべきだろう。しかしピレネー山中だとその時期はまだ雪がある。パリの今の寒波が実にしみ、寒さなどもうご免だ。他の企画は選ばれるどころか応募もしていないのだからこれは考えず、山脈が春を迎える最も素晴らしい5-6月を申請した。
そうこうしているうちに日程も予算もはっきりしない企画に応募した結果、これは入った。ニースの近くの科学技術都市の「春」がテーマの企画で、私は近代的なガラス張りの建築にツバメの巣を幾つも作る。ちなみにツバメはフランスでは春の到来のシンボルで、「一羽のツバメを見て春と思うな」という警句まである。作品設置は3月とのことだから日程的にはOK。応募時に「私はギャラがないと参加できない」と宣告済みだったが、「旅費、宿泊は大丈夫」なんて返事が来た。何と答えればよいのやら。
しかし韓国に発つ前に書類を出したピレネー(これは具体的な企画不要)、日本から戻って応募最終日に出した今回のテクノポリス、2011年の企画は連戦連勝! もう一つ、締めきり2日後に出したガラスアートセンターで昔考案して実現を果たしていない「ボアに飲まれた象」も結果待ち。正直に「ガラスのことは全く知らないからセンターの技術陣に頼るしかない」と書いたから、まあこれで連勝も止まるでしょう。その他、4月にある台湾の企画も、時期的にぴったりだし内容も興味津々。構想はすでに漠然とあるのだが、自分の作品資料に今年度のものが入っていないので先ず今年の資料整理をせねばならない。だがこれがなかなか進まない。寒さと工事(両方ともデスクワークの大敵)で気分が晴れないのだ。

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