坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

考える葦

台湾の湿地帯でのプロジェクトの公募があり、また柳の蘇生を使うつもりでいた。2月締切りなのでそろそろ企画書を書くかと募集要項をちゃんと読み直して途方に暮れた。河口の湿原で塩水なのだ。つまり柳は根付かない。周辺にふんだんにあるものは、泥砂、養殖牡蠣の貝殻、そして葦。去年参加したミリアムは葦で大きな鳥を作った。彼女の作品はいつも鳥、つまり鳥が彼女のトレードマークで、湿原と野鳥は切り離せないのでぴったり、何も考えなくてもよかっただろう。私はトレードマークなしだから事前に案を作らねばならない場合(残念ながらそれが公募の大多数)、毎回考え込む。パスカルの言う通り、考えることが人間を宇宙を超える存在にするならば、私は結構崇高な存在だ。だから今回のコンセプトは「考える葦」。だが「考える葦=人間」では近代合理主義となって環境的なテーマから逸れる。つまり文字どおり「考える葦」、つまり葦の思想(?)を形にできれば自信を持った本命企画ができあがるのだが、、、(たとえ統計的には本命案が受けいれられることが少ないにしても)。今のところ考えるばかりでらちが明かない。もっと葦のような柔軟な思考をするには、、、現地に行くしかないんだよなー。

ところで12/15の「テクノポリスのツバメの巣」企画は、ちょうどぴったりの場所は珍しいこと、昔メーカーさんから頂いた軽量粘土が乾燥しつつあること、南仏の友人巡りができることで自らを納得させ、プロとして受入れざるべき条件で行くことにした。(あーあ、こういう例を作るのはよくないのだが、、、)
ガラスの方は落選。書類を見たような形跡もない。国立センターだから形だけの公募か、或いは意外に締切り厳守だったか?