坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

第一芸術美術館

クリスマス前は皆さん買い物で大変で普通展覧会は空いている。絵の小品を描いているのだが調子が乗らないのでセーヌ岸、エッフェル塔の近くにこの夏開館、ずっと混んでいるようなので行きそびれていた「原始美術」館に足を運んだ。とはいってもプリミティブとは言わずプルミエール(第一の、基本の)と呼ぶ。
行きそびれていた理由の一つは展示が暗くて何も見えないというよいうな悪評をもっぱら聞いていたこともあったのだが、まさにそのとおりだった。ホール全体が暗く、展示品にスポットが当っているからパッと見では栄える。展示ケースはガラスで後方も透けて見え、全体を常に見渡すパースペクティブ感もある(かつ壁でスペースを区切ってしまわないような構成)。スポットはたいてい天井、展示品の少し前方からで舐める様に当てるからオブジェの凹凸の影がくっきりと浮き上がる。まわりから「オブジェの価値を引き立てる展示だ」との感嘆の声も聞こえたが、実はこれがこの十年来(?)もてはやされる「展示のコレグラフィー」と呼ばれるもので、かつての味気ない博物館方式ではなくてショーアップした展示なのです。そういう意味では大成功。しかし展示品にはすでに立派に美術的価値があるのでそんなお膳立ては全く無用だと思う。私はちゃんと細かいところまで見たいのだが、影の部分など何も見えない。ガラスケースでオブジェの背面も見えるのかと思うと前述の方式のスポットため全くの影。かつケースが透明でいくつもあると背景が気になって、かつガラスの反射もあり、視点を非常に絞りにくく目が疲れる。万博かテーマパークのパビヨンみたいなものですね。。新しいだけあってAVは充実しているのはよい。テーマパークだからかだからか私の予想に反して結構混んでいました。