坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

日本観光

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私が短い日本滞在中に桂離宮修学院離宮を訪れたことに驚いた方もあるかもしれない。というのも普通は宮内庁に郵便で参観の申込みをし、何週間も前から予約を取り付けねばならないからだ(現在はインターネットでも可)。でも滞在期間の限られた外国人には毎日特別枠があり、即日にも参観が可能。私は日本人だが、フランス人のMTさんの付き添いと言うことで可能となる(書類上では逆に私が引率者だったが)。外国人は御所にある宮内庁の参観事務所に直接行く。朝、事務所の開く前に行けば外国人が待っているだろうから、事情を話せば「付き添い」にしてくれる外国人もいるだろう。これはすぐに行きたい人への「一策」だが、即日可能かは場合による。私達は御所は同日、修学院が翌日、桂離宮は翌々日の参観が認められた。

桂離宮も修学院も以前行ったことがあるが、特に桂離宮の創意工夫には以前になく感心させられたのは、少し年配のガイドさんの熱心で楽しい説明のお陰も大きいが、自分の活動領域が造園に近いものになったことにもよるだろう。

30年ぶりかに訪れて特に良かったのは宇治の平等院。現代的な宝物館ができており、仏像など、特に雲中供養菩薩(鳳凰堂の阿弥陀の周りに飛ぶ楽士達)をまじかにじっくり眺められる。パリのケ・ブランリなどのような流行の「ただ美しくみせるだけのわざとらしい照明」(これを人は美術館のコレグラフィーと呼ぶ)がなく、すっきりとした展示で作品の本当の美術的価値を引き立てている。

初めて行ったところ(日本発見)では、奈良の春日大社の万葉植物園。万葉集に詠われた草木を集め、植物の説明に歌が添えられている。丹念に見ていたら肝心の大社まで行く時間がなくなった。なぜ万葉歌人はこんなに多くの植物を知っていたのだろう。食べ物や薬が野の草花と直結していたこともあるだろうが、人生ひとえに草木を愛で、人を恋することで足りたのであろう。

よし今晩はつれない女性にこの寒い夜を独り忍ぶ思いを恋歌にしたためて、、、と思うが私の文学能力では誤解を避けて「いつ会えるの」と携帯メールするぐらいが関の山? でもこれでは草木もなびかないよなー。あーあ、雪に埋もれる紫の花。