坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

浮世離れ

昨日の写真はほぼ円を描く形で畑に散在したパビヨンの中心にある2007年のパビヨンに想い出をかいてもらっているところ。書かれた文字の影が腕に写って刺青みたいできれいだったがそこまではわかりませんね。

外界の情報からまったく遮断されていたので日本の地震もフランスの政治劇も他国の自然災害も知らず、パリに戻ってびっくり。暑かったけれどプロヴァンスではあのぐらいは当たり前だから実に平和なものだった。パーティーで「有名な画家の真っ白な絵にキスした女性がスターになっている」ときいたが、これは農家と同じ地方のアヴィニョンの展覧会で起きた。落書きの文字みたいなのを書き連ねる作品で有名なアメリカのサイ・トウィンブリの絵で化粧品会社が口紅の秘密の成分を明らかにしたが修復不可能。フランスの地方紙にキスした女性はでかでかと載り、文化国家としてあるまじきスキャンダルとなっているらしい。これを笑ってしまうのは芸術家の風上にもおけないが、やっぱり笑ってしまう。トウィンブリのような現代作家の絵は全体の仕事がどうこうで、モナリザのように一つの作品として傑作であるのとは違うと思うから(新聞の写真ではどんな絵かよくわからなかったので非常に無責任発言ですが)またぐりぐり落書きしてもらえば? キスした女性は画家らしいのだが、新聞を読む限り変な「現代美術的意図」がなさそうなのでちょっと同情しているのだが単なる売名テロ行為かしら?