坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

芸術の秋 パリ篇

イメージ 1私がパリを発つ前、20~23日の週末はパリでアートフェアが数々あった。この欧州経済危機なのに「現代アート」は不況知らずとのことで、メインである、有名アーティスト、有名画廊がひしめくグラン・パレのfiac、それに対抗(?)して新しい傾向を紹介するパリ現代美術館とパレ・ド・トーキョーの間にテントを張ったSlickとか、fiacのおこぼれに預かろうというのかグラン・パレの近くにも2つ、パリ全体にしたらいったい幾つ所謂 ”fiac off” なる企画があるのかわからないくらい盛況ぶりを見せている。老舗のfiacは余裕でチュールリ公園、植物園にも作品を展示。植物園は環境問題をテーマにしているとのことだったので関心を持っていたのだが、樹脂で作った溶けた雪だるまとか裸のネコ人形とか、これが地球温暖化への警鐘だとかいうのだからあきれるしかないのだが、、、

このfiac屋外展示で私が比較的気に入ったのがチュールリ公園写真の放射球体。植物園にも同じ趣向で放射状に尖った木の杭が伸びるの球体があったが、美的に決まりすぎで、私はこの写真のチュールリの方がざっくばらんで、かつルーブル宮とのコントラスト、ずれ具合が良いと思う。放射球体は自然界にもいくらもある形だから、まさかこの二作品を作ったVincent Maugerのトレードマークにならないと思うが、いかんせん、こういう誰もが見る檜舞台に大々的に展示されると他の作家はやりにくくなる。私も6月にスペインのアーモンド畑で拾い集めた枝を放射状に組み合わせたが、、、、(参考写真)。Maugerさんのは私のいい加減な制作法と違い、核となる中心部に放射状に伸びる木を固定する構造を鉄で作ってある。それ以上に違うのはこの作品に「仮説の集大成」「独裁者の定理」という難しそうなタイトルが付けられていること。うーん、また屁理屈がありそうな。
(写真はfiacのサイトから転載;Vincent Mauger ? Marc Domage)
もう一つの方も見たい人は次のページをご覧ください
http://www.fiac.com/hors-les-murs-plantes-vincent-mauger.html