坂田英三 旧ブログ

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マリー・アントワネットになった坂田英三

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昨日の馬になった牛の話、初めてニュースを聞いた時は食肉業界の人がなぜ馬肉と牛肉が見分けられないのか不思議だったし、S社が犯人と疑われるのも誰もがそう思うせいだろうが、問題は「ミネレ」なるものにある。この新食材を推進させた人に言わせると「肉を切り取った後にも食用にできる部分があるのに捨てられていた。それを化学技術で取りだして利用できるようになり、食物浪費が少なくなった」。これを普通の肉と50%まで混ぜても「肉」のレッテルが得られる。素人の私には「化学処理」も薄気味悪いが、「賭殺場の現場では検査官がいない時はなんでもぶち込んでいる」という人もいる(ついでに言えば、色々記事を読んだがいつもこの二つの言が引用されていて、新聞記者も一つの情報源からコピーしているだけなのか疑ってしまう)。

まあ殺菌調理してしまえば消費者は病気にならず、製品になったラザーニャはDNA鑑定せねば馬が混ざっているのかもわからないのだから、たいしたものだ。牛は狂牛問題以来「経路確認」ができるようにされたが馬にはそれがない。そしてルーマニアの何十万トンの馬は行方知れずで大方が冷凍食品の牛になったと推測されるわけだが、多分これはお蔵入りだろう。
蚤の市で数ユーロで買ったシャネルの香水が本物だと信じる人はいないように「こんな値段でまともなもの食べてる訳ないでしょう」と言われれば消費者にも責任がふっかかってくる。「儲かりゃ良いってものじゃやいでしょう」が通らない倫理なき悪徳業者(実際今回の事件にはイギリスで起きた馬入りコンビーフ事件で昨年有罪判決を受けた人間も関わっている)を前に「買わない」としか抵抗の余地はない。
「経済危機でお金ないの!」と言われるが、朝市言って鯖なんて買うとびっくりするほど安いけどな~(冷凍ラザーニャの値段を知らない私はマリー・アントワネットかしら?) 今朝は雪の舞う零度の朝市、手がかじかむ魚屋さんに「内蔵は取っても頭は残してよ」と言ったら「親切じゃない」と怒られた。「お頭付きの方がめんどくさい」って。やっぱり私はマリー・アントワネット? でもすぐやってくれたけどね。

写真:調理食品の肉の由来が記載されないように、乳製品の牛乳の由来もわからないとのことで、私の昔の作品「由来ラベル付き」牛乳パック牛がまた意味を持ってきた(2009年7月参考)