坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

グランパレのダニエル・ビュラン

イメージ 1
ダニエル・ビュラン(Daniel Buren)はいつでもどこでも縦縞模様を配置するだけの超コンセプチュアルなフランス国家お墨付きの作家なので、私は大嫌いだろうと思われるだろう(実際多くの人に嫌われているだろうと思う)が、実は私は彼に一目も二目も置いている。彼の縦縞ストライプの壁や柱はその場を歩いて視点が変化することによってその場に関する知覚が変わるということを意図しているのだが、彼のインタビューや講演はその論理を見事に展開させ、何だかすごそうだとそれだけで感動させられてしまう。実際見るとそれほどセンセーショナルでもないのだが、いつもの縦縞模様の布や壁も、そして今回グランパレを一人で使った写真の丸いビニールの連続も、非常に設置方法が単純だから、実際の作品は私たちの想像以上でも以下でもない。彼の能弁に騙されたと思えば腹も立つが、それもアートのうちと思えばそれまで。特に私はこの作品構成方法のシンプルさが好きだ。つまり口の上手さが一目、そしてシンプルさで二目ということです。