坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

言語文明図書館 BULAC

イメージ 1前回書いた、お隣にできた言語文明学院だが、私は「地区活性化」以上の恩恵を被っている。というのは図書館には日本語の本も豊富で、最近一般市民閲覧カード(研究者でないので館内閲覧のみ)を作って本を読みに行っている。研究者対象の図書館だから普通の図書館の「品揃え」と違って、ヘンテコ(マージナル)なものが多い。勿論神道、仏教、歴史関係の専門書が圧倒的だが、美術本も予想以上に豊富で、源氏物語絵巻鳥獣戯画などの各種絵巻物から、私は今まで見たこともなかった隠れキリシタンの聖画集や妖怪図巻とか、かなり楽しんでいる。加えて誰も読んだことがないかのように新品然としていて、、、(あるいは本当に新品か?)。かつこの図書館では文庫本ですらハードカバーにしてしっかり装丁しなおしている。財政「格付け」は落ちてもこういう公共機関へのお金の使い方、まだまだフランス大したものです。
今まで日本に戻ると、実家の町の図書館で日本の本を読むのが楽しみの一つであったが、BULACの出現で帰国する理由がまた一つなくなったような。

ところで昔「『忙しい』という字は心が亡ぶと書く。businessはbusyの名詞形だ。従って「ビジネスは心を亡ぼす」と書いた2006年12月19日が上記妖怪図巻(京極 夏彦, 多田 克己)によれば「いそがし」は妖怪だった! 写真がそれで。室町時代の絵巻に起源がある。本の解説よると「貧乏暇なし」から「貧乏神」に連なるそうで、金持ちになっても心を滅ぼす「金融ビジネス批判」的解釈とは正反対なものだったが、やっぱり立心編が気になるよなー。