坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

続 夜毎の物音

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はや12月。11月は仏気象庁記録史上2位の暖冬(暖秋?:記録の1位は2006年、2位は2009年だから明らかの温暖化)、パリの最高温度は今日でも12-3度で例年に比べればポカポカ陽気だが、日本が異常に暖かかった所為か、私一人寒がっている。今まで怖くて置く気がしなかったが気まぐれに買った温度計では、アトリエは朝晩、夜でもずーと17-8度。だからヒートテックのズボン下なんて履く必要はさらさらないはずなのだが、、、100円ショップの温度計だから壊れてるのか? ところで日本に戻る前、10/12に書いた夜毎の物音、私の度重なる苦情でやっと公団の技術課の人がやって来た。でも来たからといって音がしているものではないことすら理解していなかった! 管理人によると「音はエレベーターの安全改良工事が終ってから始まった。そしてエレベーターが1階に停まると発する」 なかなかの調査の成果と思わせるが、怪音の怪音たる所以は「1階に停まってもいつも発生する訳ではない」 このエレベーターは私のアトリエから見て裏側の入り口を利用する人達が使うもので、見たこともなかったが私も興味津々で実験に立ち会う。1階に何度も停めてみたが何も起こらなかった。1階と言ったが日本流で言うと2階、地上階から階段で上る人も多いはずなのに、何故に日に度々、かつ夜中、早朝にも起きるのか? 疑問は深まるばかり。私の睡眠の方は体調不調中は気にならずぐっすり、回復した今も慣れたのか以前ほど起されることはなくなった。しかし私の安眠を気にしてくれているはずもない公団はの手前は慢性睡眠不足。実際起されなくても安眠妨害。それにこの物音、人が壁を叩いているようで、鳴り出すと昼でも結構イライラする。
技術課の視察のために少しアトリエを整理したら、あとで来た人に「こんなに素敵なアトリエだったけ」と褒められた。皮肉だなー。

ところで先日ルイ16世のTVドラマをやっていた。私は「アホな王様」という印象しか持っていなかったが、ドラマによると彼は赤字財政を再建するために学者テュルゴー男爵や銀行家ネッケルなど、経済通を登用して改革しようとするが貴族の反対で二人とも解任させられる。一方イギリスの覇権を崩すためにアメリカの独立戦争の共和国側に多額の軍資金を融資、しかし独立後のアメリカはそれに見合った経済的優遇をしなかったのでますます赤字が増大、かつ自らの権益を保守しようとする貴族に改革案をことごとく潰され、結局フランス革命に至るという(私の見たのはここまで)、「不幸な王」として描かれていた。
この話、ヨーロッパ経済危機のドミノで大統領の緊縮財政演説が繰り返される毎日と奇妙に符合しているような。財政問題の時には全く話題にならないが、リビア空爆もお金かかってるはずだし、、、。国民に「既得権に固執すると大変なことになる」という大衆意識操作ではと思うのは勘ぐり過ぎか?(意外に母国フランスでは革命がプラスのイメージでもないのです)