坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

ナタリー・コシゥスコ=モリゼ

イメージ 1サルコジもオランドもロワイヤルも、私のブログではフランスの現役政治家は散々にけなされているが、おそらく例外的に唯一好意的に書いて政治家がいるとしたら、それは現環境・持続的発展・運輸・住宅省大臣のナタリー・コシゥスコ=モリゼだろう。日本人には福島の後にサルコジとアレバの社長と一緒に協力を申し出に行っただけなので評判は悪いだろうが、例のブルターニュのイノシシ怪死事件(8/4,10参考)でも農業団体の圧力に屈せずすぐに原因を「緑の海藻」の所為としたし、08年の環境省国家書記官就任当時には、現政権政党のUMP書記長のクッペと当時の上司の大臣であったボルローの遺伝子組換え作物に関する対応を「卑怯」よばわりし、謝罪文を書かされた。数週間前には、今春からエネルギー省大臣のベッソンの後押し(これでフランスエネルギー供給が1世紀間安泰という)で復活の気配のあったシェールガス(シェール岩層にある天然ガスで圧力で人工的に割れ目を作り採掘するが、有機物質を使うためそれが地下に漏れると地下水脈を汚染し、アメリカで実際に起きたように取り返しのつかない被害をもたらす。つまり私の判断では原子力のように課してはならないリスクを負う)開発の認可を取り消した。
これら環境保護派からみれば当たり前の判断だろうが、産業界の力の強い現サルコジ内閣ではかなりの手腕と度胸がいるはず。一説によると専政的なサルコジは、彼に面と向かってやり合える相手には一目置くと言う。彼女がクビにならず出世しているのは、サルコジも無視できない「環境問題と言う追い風」故のことだけではないと私は思う。