ブルターニュのシンポジウム（5）飛翔篇

「翼あるイノシシ」は最終日の日曜の夜に、企画中心メンバーのL君の車に載せて養い親宅の村まで運こび、一件落着のはずだったが、昨日L君から養い親が「どうしたらいいかわからないので、結局 I さんの元に行くことになった」とのメールが入った。縁組み破棄の理由がもう一つはっきりしないが、ひょっとしたらヴァル・アンドレ市民への「ブルターニュ人らしい配慮」が働いたのかもしれない。 I さんに電話したら、「もうB＆Bの庭の大きな木の下にいる」とのこと。多分そこからは海を一望できる。結局彼は私がうらやましくなるような安住の地を見い出した。養子縁組の決まる前は、海岸で「緑の海藻」に絡まって海の藻くずとなる凄然たる最期も予期されていたのだが、「海に羽ばたく翼あるイノシシ」に生まれ変わった。生みの親ということで私も海を眺める部屋に泊まらせてもらえそう。めでたしめでたし。いつもと違って今回の制作レポートは終始ハッピーなものとなりました。

（写真はヴァル・アンドレの海岸）