坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

革命の炎も数が支配する?

皆さんフーリエと言うフランスの数学者を御存知だろうか?

彼は1768年にブルゴーニュ北部のオセールに仕立屋の家に生まれ、8歳で孤児となる。平民なので数学の勉強ができる士官学校の入学が許されす、フランス革命が起きた時にはその所為か(?)急進的なジャコバン派に組みするが、頑張り過ぎて疎まれ(?)逮捕され、恐怖政治でギロチン台に送られるところがロベスピエールの失脚で一命を取り留める。26歳で監獄から出、新しくできた師範学校に入学、29歳で教授になる。ナポレオンのエジプト遠征で科学顧問として同行して認められ、知事に任命される。これで管理職に安泰と言うことにはならないところが天才の天才たる所以、出遅れながら39歳にして熱伝導方程式を提案。その後フーリエは「任意の関数は、三角関数級数で表せる」と予言した。予言と言ったのはその頃の数学では厳密な理論、証明ができなくなく、ほぼ無視されたから。この大定理が200年前のナポレオンの盛衰期に考えられたというのは想像したこともなかった。そしてそれがフーリエ変換の理論となりこれは現在では通信から医療器機、波動に関するテクノロジーの至る所で使われている。だから大学で理科系に入ると三角関数によるフーリエ展開と言うのを教えられるのだが、大半の人を数学嫌いにしてしまう三角関数を高校で執拗に全員に教えるのはその所為だ。このフーリエ変換三角関数が良い例で、数学の授業ではこうした「何故これを習わねばならないか」という将来への展望を全く無視している。加えて数学者の人生にも触れればもう少し数学離れが防げるかもしれないと思うのだが。

実際私もフーリエの若き革命家の姿など知らなかった。月曜久々に晴天なので、少しは太陽にあたろうと近くの国立図書館の広場へ散歩に行ったら、「数学者の言葉、火すらも数が支配する」と書いた講演会のポスターが張ってあり、内容を見てフーリエの波乱万丈の人生を知った次第(これは日本語ウィキペディアにも詳しい)。フーリエは革命の炎、ナポレオンの浮き沈みを見てサインカーブに親しみを感じたのであろうか? そんな話を聴けるかと思って期待して今晩講演会にでかけたら、トニー・クラッグと大違い、何と満席で入れなかった!!! 1時間以上前から列ができていたとか!

仕方がなく図書館の書店を見ていたらインタビューDVD付きのルイーズ・ブルジョワの図録を超特価で売っていて、これを買って帰って来た。