坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

老人革命の夢

チュニジア革命のきっかけは、仕事がなく路上で野菜売りをしていた大学卒の青年が、許可書がないので警察に物品を取り上げられ、絶望して焼身自殺したことだった。この社会不満、革命で堂々と表明できるようになったが、このグローバル社会、青年達が学歴に見合った仕事につけるようになるのは容易いことではない。まだまだどうなるかわからないが、民主政権が誕生したとしても失望するに違いないという悲しい現実がある。それでも変わるべきものは変わらねばならない。

チュニジア大統領夫婦とは比較にはならないにしても、サルコジ政権ほど経済界との癒着を取り沙汰される仏政府は珍しい。おおっぴらなスキャンダルも政権を揺るがすに到らないのは「金が因果の世の中」という原則が国民の全層にしみ込んでいるからか? 少子化で少ないばかりか、流行の餌食となった青年消費者達にはもう期待はできない。それどころか若者の目には、こんな社会にしたのは我々老人の責任。しかし我々が若かった時に描いた将来の世界はこんなものではなかったはずだ。だから老人よ、命を張って路上に出よう。どうせ長生きしても闘病生活か痴呆が待っているだけだ。それなら死ぬ前に社会是正の大仕事をしておくのも悪くはない。それに我々は社会の多数派なのだ。
かくして老人達は通りで機動隊と激突、警棒で殴打までされなくとも突き倒されただけでも簡単に骨折し、路上にくるまり苦痛に喘ぐ、この悲惨な状況の画像が世界に広がり、ついにサルコジは御用達の専用ジェット(キングサイズのベッドのある大統領用スイーツと閣僚用のエコノミークラスに別れているという)で国外へ逃亡するに到る。この革命を人々は何と呼ぶだろうか?