坂田英三 旧ブログ

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売れないアートは自己満足にすぎないか?

前回の記事を見て「あー、またエイゾウさんの自己満足か」と思う方は多いだろう。姪によると「売れないアーティストなんて自己満足にすぎない」そうだが(伝聞)、実際これは多分大方の人の意見ではないかと思う。しかし作家が自己満足をするのは大変なことなのだ。

第一、一般人の基準より作家本人の作品に対する基準の方が格段に高い。亡くなったのみどりさんは「ビデオプロジェクションは(諸事情で)全然ひどかったけれど、来た人は建物に光があたってきれいなだけで喜んでいるからがっかりしちゃう」と悄気ていたことがあった(かついつも大抵何か不満足だった)が、画家も他人が到底気がつかないような詳細が気になって何時間も何日もかけてしまう。つまり作家本人が「上手くできた」と自己満足に到ることは本当に大変なことなのだ。だから自己満足を軽視したり侮蔑的にとらえられては困る。その努力が所謂成功につながるかどうかはまた別問題で、ここでは触れないが、ともかく自己満足を侮蔑する人はきっと自らの志が低いからであろうと推測するのが私のこの種の明言への反駁である。