坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

これがゲームというものさ

私は、「サッカー好き」と言うと阿呆扱いする、フランスのインテリ(?)階級と女性からの逆境にもめげずサッカーファンを通してきたのだが、最近サッカー嫌いになりかれている。
第一の理由はブーミング。反則をしたとかいうのならわかるが、相手チームがボールを持っただけでブーミングが起こる。だから相手プレーヤーの妙技を讃えることなどはなくなった。
第二はすぐに暴動が起きる。たかがサッカー、応援チームが負けたとしても暴れる理由はない。それが勝ってもそういうことが起きる。昨日はアルジェリアがエジプトに勝ってワールドカップに進出したが、パリとかマルセーユで車が燃えた。

肝心のフランスチームはどうだったかというと、これも昨日、ワールドカップに進出をかけてアイルランドをパリに迎え撃った。先週のアイルランドでの試合で1:0で勝っているので引分でもOKの簡単な試合のはずなのだが、如何せん、今の仏チームは弱い。世界的スターを何人も擁しているのにダメなのはサッカーが集団競技である証拠。逆にスターなしでもいつもの仲間で頑張るアイルランドのようなチームに私は勝って欲しかったのだが、、、。でもそれは無理かと思いつつ、ちょっとだけと見始めた試合、前半30分ほどでアイルランドのキャプテンが見事な先制シュート。これで互角。その後もアイルランドが優勢のまま、試合は延長戦に。そしてその後半ゴール左のラインぎりぎりのパスは仏チームのキャプテン、ティエリー・アンリの手にあたり、そのお陰で足許に落ちた(落とした?)ボールをセンタリングし、それが決勝ヘディングシュートに導いた。ビデオではハンドは完全に明白だ(2度もあたっている)が、審判は見なかった。という仏チーム、まったくもってお粗末なワールドカップ進出となった。
その後のインタビューでは監督、選手、関係者、「審判の判定が幸いすることもあればその逆も。それがゲームというもの」とほぼ口を揃えたような発言。列の横入りなどが当たり前の仏社会ならではといえばそれまでだが、「スポーツは青年に社会規律を教える」としてスポーツ省まであるフランスだから傑作だ。私の少年時代は審判なんていていないようなもの、仲間から文句を言われる手前もあるが、正直な自己申告がベースにあった。昭和40年頃の名古屋の新興住宅の少年達は現在の億万長者のプロ選手よりよっぽどジェントルマンであったといえる。
常軌を逸した発言で有名なドメネク監督は「純粋に勝利を喜こぼうではないか」と言っていたが、「勝てば良いと、儲かればよい」いう現在社会を見事に反映している。これが(昨日の試合がなくても)私がサッカー嫌いになりつつある第三の理由なのだ。