坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

哲学講座の修了

ミッシェル・オンフレの哲学講座は結論に入ると「ニーチェの生き方指南」になり、例えば彼は体と思想を分離してはならないと言う根本的で現代的なことを唱えたのだが、「ソーセージ+ジャガイモがカントの哲学を作った。もっと軽い物を食べなさい」(こういうお笑いみたいなことが多いのが結局8月中講座をきいてしまった原因)とか、「腹八分目」のような当たり前の結論が出て来る。以前にも言ったが普通の我々が考えることと大哲学者の結論はあまりかわらないのだ。哲学する自らを築くためには「消費主義、物質崇拝に陥るな」とか「立身出世にかまうな」とか、私でも言ってますよねー。

最終回は全講座のおさらいかと思ったら妹のエリザベット・ニーチェの話。彼女が筋金入りの反ユダヤ主義者で、パラグアイに行って夫とアーリア人コロニーを作ったが失敗、ドイツに戻って精神錯乱したニーチェの著作に関する全権を握り、手記を改竄したりしてファシスト思想のニーチェを作り(「力への意思」はまったくニーチェの著作とは言えない)、ナチスに取り入って経済的にも大成功をしたそうな。
つまり1889年にニーチェの気が狂って以来ニーチェ思想が一人歩きし始め、その現代に到るまでが来年の講演テーマになるそうで、実はこの公開大学講座、なんと今年で7年目だったのです。

哲学分野では私は何とも意見の言いようがないが、オンフレさん、美術に関することを指摘すると、私から見ると簡単に要約しすぎて「ブレ」がある。かつ私の嫌いなガルースト(GAROUST フランスの現代画家)なんか絶賛しているので趣味も違うみたい。

かくしてちょっと奇妙だった私の8月も終わり。アメリカに発つのもかねて野外映画上映会の公園でサヨナラピクニックをしたら寒かった! でも明日はまた30度を越えるらしい。