アリとキリギリス

今回の帰国の目玉は貯まったマイルスを使って沖縄に行く。私は南洋の島には行ったことがないので、基地問題があっても単純に憧れの「夢の島」なのだ。パリの知合いが泊めてもらえるところがあるという話をしていたことを思い出して即決。
普通の人はこうは行かない。だから羨ましがられる。
結局はアリとキリギリス(フランスでは風土の違いか、「アリとキリギリス」は「アリとセミ」)。キリギリス生活は楽しいけれど、普通の人が幸せと思っているものはたいてい持っていない。すべてを持つことはできないから生活の優先順位の問題なのだが、なぜかキリギリスは嫉妬の的になったりする。岩名さんの映画もロッテルダムのフェスティバルに参加した際のウェブ上の記事がきっかけに日本から罵詈雑言のメールが殺到したときいているが、これもキリギリスへの妬み。だって肝心の映画を見ていない人の批難なのだから。
岩名さんはすべてを投げ打って映画を作ったので、「フランスの田舎に住む舞踏家で映画監督」という文章から日本で醸し出されてしまうイメージとは程遠い生活をしている。彼に比べれば私はよっぽどアリさんなのだ。
岩名さんのことはともかく、アーティストは所詮キリギリス、これを長年やっているとキリギリスの最期が刻々と近づきこれを全うせざるえなくなる。今さら羨ましがられようが、いざとなって同情されなかろうががもう致し方ない。

キリギリスは歌が勝負。生意気なキリギリスの作品見に来て下さい。グループ展は名古屋のLギャラリーにて14日から29日まで。知らない間にサイトができていたので左のリンクに入れました。(http://l-gallery.jp)