坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

お掃除レジデンス

空き家となっている実家に帰国中フランスからの友達を招く私のプライベートレジデンス、今回3人目にしてはじめての女性であったが、そのFさん、着いた当初は耐えた(?)ものの、3日の夕飯時に「ここに人を招くとは大胆だ」と切り出した。何のことかと思ったら、家の状況が彼女の予想をはるかに超えていたらしい。私は「すごく散らかっている」と予告していたはずだが、彼女曰く「家の無秩序さは住む人の精神状態の反映、それを思うとこうした中にいること自体悲しくなる。少なくとも自分が使う寝室と台所を整理したい」 確かに母が介護施設に入ってはじめて戻った時の実家は認知症による精神的混乱を反映するがごとく常軌を逸した状態だった。それをなんとか住めるまでに片付けたつもりだったが、おおよそ普通の状況からはほど遠い。私の整頓レベルが低いのに加え、あまりにモノが集積されていてどうにも手がつけられないとあきらめていたのだ。
帰国して住むとも思えないのでモーティベーションもわかないのだが、「この家をどういしよう?パリで骨を埋める気にもならないしなー」という、私の未来へのヴィジョンの欠如は一面ではカオスに外ならないのかもしれない。

何れにせよ家がきれいになるのはなにより。「好きなようにして」と答えたものの、本当に整理が可能なのだろうか半信半疑。こうして私の諦観と怠慢に活をいれるべく、Fさんの「お掃除レジデンス」が始まった。