坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

Fさんの整理の鉄則

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家の混乱の根源は過剰なモノの量にある。物を大事にするよう育った母が高度成長時代のモノの洪水の中、会社の景品をはじめ、すべてを蓄積した。それは押入れから溢れ、棚は落ちんばかりに、床の上にも堆積された。私から見るとモノを捨てる以外解決がなさそうなのだが、Fさんは「人の物だから勝手に捨てないよ。でも整理はできる」と自信満々。

ではFさんの鉄則

1)包装を捨てる

限りある空間で体積をとっているのは箱なのだ。かつ何十年もそのままにされたボール箱はきたなくて、、、。日本の町の掟でこれらは資源ゴミとして解体して束にせねば、かつプラスチック袋は別と彼女が想像していなかった面倒にもめげず、すべて取り払われた。

2)同じものは同じところへ

ガラスのコップはガラスのコップ、小皿は小皿と同じところにまとめる。あたりまえのようだが、例えばスープ皿とスプーンがセットになっていても、セットとしてではなく機能別で別の棚に収納される。不便かと思ったが、ちゃんと整理されると何と何がセットかは一目瞭然。また同じものをあつめた上で要らないものの取捨選択も容易になる。

3)洗った食器はちゃんとしまう

これは皆様には当たり前のことかもしれないが、私はいつも使うものは置きっぱなしにしておく流儀なのだ。

結果どうなったかというと、大量のものが不思議にほぼ全て食器棚に納まった。これで古い食器、見苦しい食器を捨てればもっとすっきりするはず。ともかく見たことのないものや子供の時に使っていた懐かしいものもでてきて、不承不承の3)も先生に従った結果、食事の毎に器を変えるようになり、また異なったセットの品をマッチングさせてみたりと、ままごと的な愉しみが生まれた。

段ボールやプラスチック包装は躊躇なく捨てるFさんだが、きれいな木箱は温存。空になって小間物入れに変わったりしている。「ちょっと待ってよ、箱書きのあるのは上等な陶器かもしれないのだけど、、、」と慌てたが、箱書きの内容と棚に並んだものを見比べたのだがよくわからない。事既に遅し、すぐに違いがわからないぐらいの品ならまあいいかと、箱書き崇拝もすてることと相成った。何でもため込まれていたから箱だけが空で置いてあったこともあるようだし、、、。

ところでFさんのプラスチック嫌いは大変なもので、プラスチックのゴミ箱も部屋から追放。流しの下からお櫃を見つけ、これをゴミ箱にしようと提案されたが、流石の私もそれは却下した。文化的(?)先入観によりそれは不可能。そんな冒涜も現代アートの世界ならまかり通るだろうが、、、。便器を泉と称して作品としたデュシャンは溲瓶をワインのデカンターとして使っていたの知っています? (信用しないで!これは私が考えたボルド-色の嘘です)

断っておきますがFさんは私のワイフでも情婦でも何でもありません。それなのにお掃除するなんてすごいでしょ。どこでも生活の美学を貫かないではいられないということか? こちらでは結構何処の家もきれいにしてあるからなー。化粧よりは家の整理?フランス女性は偉い!(写真は台所で大掃除するFさん)