坂田英三 旧ブログ

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ウズベキスタンの枯山水、パート2

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そもそもあまり前知識なく行ったので、土地に着く前にあわててガイドブックを読むのであるが、「ブハラは1世紀前までは水の都で石で組まれた池のハウズが200ほどもあり、そこは人々の集まりの場、お茶を飲み、かつ洗濯、水浴をしていたのだが、水の流れが少なくよく伝染病が流行った」とのこと。まさに枯山水の手法で水を蘇らせる企画にうってつけの町であった。かつ私が景観から選んだ場所のマドレサが女学校だとはその後で聞いた話。女性は水とシンボル的に繋がることが多いからますます意味的に膨らみがついた。不思議ですねー。
近所の人々も荒れていたハウズがきれいになり喜び、色々な人に「ありがとう」と言われた。人夫を雇い掃除をしたのだから大いに社会貢献をした訳だが(この費用はポーラ芸術財団により賄われました)、制作中に何度も眺めに来た神学校の先生ほか、私の企画も好意的に見られていたように思う。「昔日本人がやってきて一日ももたない砂の絵を描いたお陰でこのハウズはきれいになったんだよ」と語られるかもしれないと思うと心が楽しくなる。

この砂庭、今はもうない。当局との約束でブハラで展覧会が行われた翌日の25日にはA氏の指揮で砂の撤去作業が始まったはず。だから写真のように坊主のアシュラが残って毎日庭を作りなおすことも不可能なのだった。