坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

バンブーヘンジ

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一度も行ったことのない土地のためにプロジェクトをたてるのは苦手というか、実は私の方針に反するのだが、かたくなに方針を守って「白紙プロジェクト」を送っても相手にされない。ともかく知らない地方で冒険ができるよう頭をひねる。今回は土地に関するアイデアがなかったのでフェスティバルの期日をテーマにした。12日に書いたようにインスタレーションの狙いは東西に開いた扉の間に秋の日没がすっぽりと入ることだったが結果は御覧のとおり、山があるので秋分を待たずして金曜日にすでに真西に太陽が落ちた(写真)。インスタレーションの中心には15日に書いた磁石が、その周りには公園の黄色い小さなリンゴが円形に敷かれている。内壁は竹を割った内側だから夕日の光を浴びて黄金色になるという趣向。フェスティバルの名前の「秋の色」に呼応している訳。
これを見た現代アート通のビジターから「Nancy Holtを知っているか?」ときかれた。「うーん誰だ?」と考えていたら「東西南北に大きなコンクリート管を並べた、、、」と後ろにいた参加作家が助っ人を入れてくれた。70年代の作家だ。美術史上精確には、ランドアートはこの時代のモニュメンタルな作品のムーブメントを言うのだが、フランスでは間違えて?現代の自然指向のアートをさすために使われている。私としては70年代の作家はアプローチが全く違うのであまり気にしていない。だからナンシーさんも有名ではあるが写真を見せられればあの人かと言う程度。だから私はすぐさま「Nancy Holtではなく、先史時代の遺跡がリフェランス。ストーンヘンジならぬバンブーヘンジです」と答えた。特定の方向に太陽を入れるなんてのは古代から誰でも考えることなのだ。