坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

エホバとミューズ

バカンスといえば先々日、昨年大西洋岸ヴァンデ地方の家に誘ってくれたG君とY君のホモカップルに用事があったので会ったのだが、すでにヴァンデ、アヴィニョン等に行き、パリに昼に戻ってその日にY君の故郷のギリシャに発つ。ここまで充実していると「バカンスのために1年働く」というに頷ける。
もし私がフランスに生まれていたら、サルコジーの選挙スローガン「もっと仕事してもっと稼ごう」には目もくれず、是が非でもCNRS(国立研究所)の研究員か学校の先生(G君は高校の先生)になってバカンス満喫路線を選んだことだろう。それが何の因果か極東の小島に生まれ、その道を知らず、かつ芸術創作(?)という厄介物を背負い込んでしまった。
先日の英国大使館のカクテルパーティーで、私より年配で私と同様売れない画家をしているBさんに会ったが、彼は食べるために外国人向けのフランス語学校で教えていて、普通は週に3日なのだが夏は毎日8時間労働で絵が描けないと嘆くばかりか、「人と午後からでもアポイントメンがあるとプレッシャーがかかって上手く行かない」という私の傲慢な不平(?)にあっさり同意してくれた。インテリそうな人だったが、フランス人でも絵が因果で人生誤る人もいるようだ。
アブラハムが息子を生け贄にしたことに喩えるとユダヤ人に怒られそうだが、自分の人生を犠牲にしてもエホバ同様ミューズが微笑むとは限らない。でもわかっちゃいながらやめられない。これって何なんでしょうね。スーダラするしかありませんか?
ところで植木等のお父さんは坊さんで、彼がスーダラ節の歌詞を読んだら、お父さんは「それは般若心経の教え通り」と答えたとか(日本で冬に見たTVのうら覚え)。関係ないか、、、