坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

遺伝子組替えに楯つくと、バカンスどころではない

CNRSに勤めて悠々自適な生活をしている人を目にするので昨日の理想の職業にランキングしたが、バカンスが満喫できることと有能なる研究者であることは相反することではないので誤解のないように(だから余計にうらやましい)。しかし中には私の来世の目標(?)とは程遠い真面目な研究者もいる。例えば分子生物学者のクリスチャン・ヴェロ(Christian VELOT)は遺伝子組替え農産物の開発に反対で、危険性を警告するの講演をしたことから、09年までの4年計画の研究の後期の予算をなくされ、かつアシスタントもなくされ、かつ研究室の引越しを要求され、2010年にはクビになる予定。去年J君が出版した探偵小説では研究者は殺されてしまったが(07年11月23日参照)、科学者としては殺されたに等しい仕打ち。研究所上層部によると、研究員の名を名乗ったこうした活動は許されず、彼と研究計画を共同できないということだが、「科学者が科学を批判できなくなったら、それは科学でなく教会だ」というのが彼の言葉。