坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

判じ物の俳句

フランス語に翻訳された俳句のもとの句を探すのはちょっとしたクイズ。
例えば直訳で「静寂 蝉の歌が岩を貫通する」が「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」はすぐにわかるが、「柳の水田のふちで私はいとまごいをする」は、「田一枚 植えて立ち去る 柳かな」。

私が無理に変な訳をしていると思われるかもしれないが、フランス語では動詞の主語がはっきりされてしまうので、以上のようになる。言語体系が異なるから詩的情景の構築の仕方が違うのだろう、私は今でもランボーヴェルレーヌも原文ではさっぱり。読んでも意味を理解するのが精一杯で、朗読となったら知らない単語が一杯でもう悲惨。小林秀雄上田敏はどうやってああいう名訳ができたのか?謎と尊敬の念に満たされる。加えて詩が理解できない絵描きは肩身が狭くて、、、

見つけねばならなかった芭蕉の句、「竹の中に避難し、静まる」(動詞は三人称単数、主語なし)はまだ解らない。