坂田英三 旧ブログ

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不法移民労働者のスト

先週16日からフランスでは前代未聞の事が起こっている。不法移民労働者のストだ。不法と言うのは身分証明書などを偽り仕事を得ているから。しかし逆に義務たる社会補償費や税金は立派に払っている。不法だから、見つかればそれまで、日陰の身でストなどという大それたことはできないはずなのだが、実は彼らは清掃夫、工事現場、レストランなど、仕事がきつくて人気のない産業を支えており、彼らがいないと幾つもの会社が回らない! つまりストをされると経営者は大弱り、政府に一緒になって不法労働者の合法化を要求。それほどの彼らが縁の下の力持ちだったことが歴然となった。はっきり言って人出不足で雇う側も知って知らぬふりをしていた訳だ。
これら労働者の逆転の発想は偉い!びくびくおびえているだけでは権利は獲得できないのだ(革命家みたいだが)。
1週間でストする不法労働者は500人を越え、実際にこのような労働者は全国で何千人もいるらしい(2万人とか、5万人、10万人とか諸説あり。数がわからないのは当然と言えば当然だが)。中には10年もこういう状況で仕事をし続けている人も。
実は海外にいる時から採用されるエリート、専門職を除いて、フランス国内に来て仕事をしようとすると、カードがないと雇用契約(あるいは仕事)ができない、雇用契約(仕事)がないとカードがもらえないという、カードが先か契約が先かという完全に矛盾した状況に陥る。私のような自由業でもその点は同じで、杓子定規に規則を解釈してはいけない状況が何年かあり、やっと晴れて合法滞在者となったわけです。
そのへんがもっと明確にならねばと思うのだが、ともかくストの黒人さん(殆どが西アフリカ出身)、頑張れ!