坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

色々な村興し

昨日はロワ-ル川沿い、ワインで有名なソミュールに近い小村トゥルクアンTurquantへ行った。この地域には石灰岩の崖から石材を切り出した後に住民が使った洞窟家屋があるのだが、それを改造して工芸家のアトリエを住まわせ、観光客がその場で工芸家が作業をしているのが見られる「工芸の村」として村興しをしようというのが元気そうな村長さん(それもそのはず、すでに先週で2期目の当選を決めている)の大計画。人口450人足らずのごく小さな村だから地方や国の援助を取り付け、工事の真っ最中、夏前には幾つかのアトリエができあがる。それに興味を持ったガラス作家のTさんが現地を見に行くのをお供した次第。岩穴で幻想的だが、ここで仕事をするというのは、パリで洞窟生活をしている私はご免したい。だが仕事場を探すTさんには十分検案の余地があるらしい。何れにせよ私のような「非営利アーティスト」の類いはお呼びでないらしい。確かに観光客への「見せ物」をしてそれを品物の販売にうまく結び付ける商才がないとやっていけないだろう。
ところで洞窟家屋にはかつては実際に農民が暮らしていたことも。体にカビが生えそうだが、実際茸の栽培にも使われる。シャンピニオン・ド・パリは名前に反し、この地方が75%の国内生産を占めるそうだ!

Tさんが「世界遺跡の村だ」と言うからこの話にのったのだが、実はこれは誇大宣伝、お城で有名なロワール地方全域がユネスコの世界遺跡で、その地域に入っているだけに過ぎない。でも地方では洞窟家屋も文化観光遺産としようと躍起? 下記のサイトの村のように整備され見学、宿泊もできるところもある。(トゥルクアンでは天気が悪く私は洞窟写真を取りませんでしたので御参考に)
http://www.ot-saumur.fr/Troglodytes_r26.html