坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

アーティストのパラダイス

英国大使館でのアーティスト・イン・レジデンスという展覧会の案内が届いた。学校とか病院とかにアーティストを招いて創作させる企画はあるけれど、大使館というのは新機軸?と思って良く見たら大使館で仕事をしている知り合いの名前が見つかった。大使館に勤めている人たちの作品展示会なのだ。
市役所前の広場をまた警官につかまらないかこわごわ横断していら「市役所のアーティスト」と書いた立派な看板が出ていたが、これは昔間違えてみたことのある市役所職員の作品発表会。
これらのごとくフランスでは絵や写真を展示する人はすべてアーティストとなってしまい、趣味としか思えなくても本人が「私はアーティスト」と言ってはばからない。ジョセフ・ボイスが言った「人誰もがアーティスト」というのが現実になっている、フランスはアーティストのパラダイス。
こういう幻想を利用して「知られないアーティストを紹介するのが我々の指命」と謳いつつ誰にでも高いレンタルでスタンドを貸すサロンが大流行り。こういうのに行くと極端な玉石混淆で頭が眩む(だから招待されても絶対に行かない)。玉石というのは時々はマトモなアーティストでも所謂「売れ線」のものを作っている人は参加することもあるから。周りがひどいから一際目立ってよく売れるのかも。
この無茶苦茶な世界で誰がアーティストなのかは難しいようで簡単:それは作品が自ずと語るからだが、だから難しい。見に来る人が何もわかっちゃいないのだから。「そのお陰でお前もアーティスト面してられるのだ」と悪口を言われそうだが、、