坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

万聖節に思う

11月1日は万聖節で死者を悼む、日本のお盆のようなもの。
私のリトの先生で中学で美術の先生をしていたジャクリーヌは彼女自身も変わった人だが、周りに変な人が集まっていて自分で「奇人変人のコレクター」と称していたぐらいだが、その中で多分一番変わっていたYの死のことをちょうど昨日彼女から聞いた。年末年始の頃にまったく外出しなくなりそのまま孤独死をした。連絡があまりに取れないので変に思ったジャックリーヌと友達が家族に連絡をしてやっとそれがわかった。体格が良くて持病もなかったからそんなに簡単に死ねるのか私には驚きだが、飲まず食わずでそのまま死んでしまえそうな性格の人でもあった。
親戚家族から見放されていたのでジャクリーヌは寂しい葬儀を思って行ったところかつての奥さん、子供、孫が集まって大きな御葬式だったらしい。娘が作ったカードには、私の知っている巨体で人を冗談で挑発しながら通りを歩くYからは想像できない昔の家族団欒の写真、そして見たことがなかった彼のスケッチが上手にスクラップしてあって、これを見ながらあらためて「人生とは不思議なものよ」との思いがした。
マトモな会話など私としようともしないYだったが、大昔自分ながらなかなか出来がいいと思ったリトを眺めて一度だけ真顔で褒めてくれたことがある。ちゃんとした鑑識者に褒めらめた思いがしたことを覚えている。