坂田英三 旧ブログ

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ゴッホの夢

御存知のようにゴッホはパリ近郊のオヴェールで命を絶った。彼の終の住処であるラヴ-亭は熱烈なゴッホファンのベルギー人、ジャンセン氏により修復され公開されているが、ニュースにもなる面白い企画を打ち出した。オヴェールで描かれた麦畑の一枚が来月オークションにでるのだがそれを寄付によって競り落とそうというのである(推定3500万ドル以上)。その理由は「ゴッホの夢」。ゴッホは弟のテオへの手紙に「いつかカフェで個展をする方法が見つかるだろうと思う」と書いた。だから彼の望んだカフェ、ラヴ-亭に絵を戻しましょうというのである。でもゴッホは「カフェ」の前につく冠詞を定冠詞leでなくて不定冠詞unにしている。だから文法的にはラヴ-亭でなくてもどこでも良いことになる。ゴッホはオランダ人で外国人だから私のように間違えることはあっても、日本語と違ってオランダ語にも冠詞はあるからなあ。
文法を考えなくても誰の夢かは明らかなのだが、その辺が冗談でなくなるのがゴッホファンの人々の怖いところ。かつもし絵が手に入った場合もゴッホの死んだ部屋に飾られるから手紙の夢とはちょっと違うような?
実は私はラヴ-亭の解説翻訳の仕事を大昔したことがあってジャンセンさんも気の良い紳士であることは知っているのですが、、、。それはさておきサイトはちょっとおかしいですよ。
http://www.vangoghsdream.org