坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

フランスの夢

最近のフランスの選挙は前回の極右や欧州憲法の時のように予想を覆す「有権者の反乱」があったりしたが、昨日の仏国会議員選挙はまったく誰もの予想通り:投票率は低く保守(大統領)派の圧勝で終わった。左翼は大統領選での支持率は一応維持したが小選挙区制のためこのままでは80%近くが保守派に議席を取られる運命にある。これでは議会民主主義が立ち行かないと社会党は、例の「有益な投票」と同じような論法:二次投票で「民主主義を守るための投票」をせよとおっしゃる。かつこうしてロワイヤルが社会党の領袖、書記長になってしまう雰囲気。選挙敗北の現オランド書記長の責任が明白なのに、奥さんのロワイヤルは無傷? 無茶苦茶なことでもはっきり言うサルコジーに比べロワイヤルの綱領はさっぱり要点が分からなかったのが政策的根本的問題。結果としては「反対のための反対」しか第二政党としての存在価値がなくなった。
サルコジーは草々相続税の大減税プランを発表したが反論もなかった(公約していたし)。「労働者も家を買えばキャピタリストになる」と言うのは本当みたい。大統領になった直後に豪華ヨットでバカンスをとるサルコジーに「ええっ」と思っていた矢先に、通りの工事のおじさんが「サルコジーはああして成功の例を示した」と言っているのを耳にして愕然としたが、時代は変わった。今や労働者もサルコジーに夢も懐も託せるらしい。私のフランスの夢はこれにて終焉、後はTVA(消費者税)の値上りを待つばかり。