坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

カダケス

イメージ 1カダケスはフランス国境に近い地中海岸のピトレスクな港町。地中海岸はフランス側もスペイン側も観光開発が進み過ぎて巨大な別荘アパートばかりの無惨な有り様になっていることが多いのだが、カダケスは蛇のようにくねった山道を越えて行かねばならない不便なことが幸いしそれが避けられた。でも昔の漁村も今は観光の町、特にダリの町として知られ、町の中には彼の描いた絵に風景の出てくる場所にその複製が立てられている。彼は峠の向こうのポルト・リガトという小さな漁村にガラと一緒に住んでいたが、その家も現在では見学できる。隣人にカダケスに行くと言ったら「ダリの家に行くのか」ときかれ、「日本の画廊経由で今雨の絵を展示してもらっている(名古屋Lギャラリーのグループ展)から見に行く。ダリはどうでもいいのだけれど」と答えたら「カダケスまで行ってダリの家に行くか行かないかでお前の人間性がわかる」と言われたのだが、、、結局行かなかった(どういう人間性だ?)。

面白かったのはなるほどダリなら女性の頭を思うだろうという大きな葉っぱの木とか、いかにもシュールに侵食された奇岩が海岸にあったこと。彼はあまりにもお金に固執したからかフランコについたからか、つまはじきにあっている感もあるが、大衆的人気は絶対的(かつ今のSF映画などのコンピュータ画像処理に近いところもあると思うから近未来も絶対確実)、だから巨匠として残るでしょう。カダケスは昔から別荘の地でピカビアとかマルセル・デュシャンが海水浴している写真もあるのですが、こちらの方の足跡はまったく残っていませんでしたね。

ところで6月末にしては最高気温25-27度ぐらいとこの土地にしては涼しく、非常に快適でした。