坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

お金持ちのコレクション

ルイ・ヴィトングループの社長のアルノー氏が自分の現代美術のコレクションの美術館の建設を発表した。建築はスペイン、ビルバオグッゲンハイム美術館を設計したフランク・ゲーリー。フランスにはこの人を越すピノーという金持ちの経営者がいて、彼はセーヌの中ノ島の旧ルノー大工場跡に安藤忠雄に設計させ、現代美術の個人コレクション美術館をたてる計画だったが、行政手続きが進展せず、業を煮やしてヴェニスの大運河沿いの屋敷を買い、今年の春にそれをオープンさせた。
いつも不思議に思うのだが、大企業グループの経営者が作品を前にして唸る時間があるのだろうか?多分コレクションの内容もポンピドーセンターと似たり寄ったりなのではないかなあ。私の意見では、現代美術は市場としても国立美術館と大コレクショナーが作品の価値(経済的価値を含む)を互いに正当化させる閉じたシステム。個人コレクションといっても特徴がないのです。建築家のチョイスもステータスシンボル、一番大手を選んでいるだけでしょうが。(註:二人の建築が嫌いな訳ではありませんのでお間違えなく)