坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

ダン・フラヴァン

「白夜」のときに書こうと思ってそのままになっていたダン・フラヴァン。現代美術館に行って蛍光灯が飾ってあるのを見たことがありませんか?彼の作品です。全然面白くないし、蛍光灯をただ並べるだけで、昨日書いたような「同じことを手を替え品を替え」の代表選手と思っていた彼、夏に近代美術館で回顧展が開かれて見てみたら意外に新鮮な驚きがあった。
もちろんほとんど蛍光灯が並んでいるだけでしたが、光が床や壁に反射される様微妙に配置されている。当然展示スペースはすべて薄暗い。ただ2色の光が壁で混ざりあっていくなど理科の実験のようだがなかなか美しい。かつ蛍光灯はまばたきしているから不思議な幻惑感がある。まさに自分で言っているように空間に依存した作品なので突然ぽんと明るい美術館に置かれる作品ではなかったわけだ。普通の店で買える蛍光灯を並べるラディカルな作品を60ー70年代に発表し続けた彼は美術学校を出ておらず、売れるようになる前は美術館の監視員などをしていて、そこで有名作家とお知り合いになったそうです。
で、「白夜」に戻ると、色々な仕掛けがあるよりも「純粋に光を見せる」ことで「光り物」は終わっているような気がした。