坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

日本漫画を読むフランスの謎

昨日書いたように今は大ブームの日本の漫画だが、私がパリに来た83年頃はテレビで放映されるようになった日本アニメが「暴力的で絵もぞんざい」と酷評を受けていた。確かにフランスで「BD」と呼ばれるものはストーリー性が高く絵が克明に描かれ、作家も1年に1冊書き上げればよいという、日本の漫画、劇画とはコンセプトが違うものであった。日本の漫画は、すべての意味で凄まじい競争で淘汰されたものなので日本製電気製品と同様売れて当然なのだが、やっぱり土台の文化が違うと受け入れられないものかと、その頃は思っていた。それがある時期一気に堰を切ったように流布し、地下鉄の中で若者が日本の漫画に見入っている光景に出くわすようになった。昨日の評論ではブラックジャックの手術の光景の描写はすごいと褒めていたが、描写の細かさではフランスのBDには叶わないと思うが、見方が変わった。日本の漫画ブームを支えるのは若者だが彼等は「親が嫌がった」日本アニメを見て育っている。だから知らぬうちに日本の漫画の乗りを拾得したのだろう。日本のコス何とか(漫画の主人公のようなファッション)もパリの街に現れた来そうな。でもフランスの若者と日本の若者がそこまで似てきたとも思えないし、何故フランスで一番流行?という謎が解けない。何が面白いか友人の子供に尋ねたことがあるが、基本的に彼等の読んでいる漫画は私のしらないものばかりだったので反応の分析のしようがなかった。そのために新しい漫画を読むほどの探究心はないし。