坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

翼ある人たち

昨日のデモですが、ベンチに立って寄せて来る人並みを見ていたら知合いに声をかけられた。これは動員数の多さを物語るが、パリに関し今日の警察発表は主催者側の発表の1/8。いつも格差があるとは言えこの大差は馬鹿げている。
会ったおばさんは10年ぐらい前のリトグラフィーのアトリエでの知り合いだったが、その頃小学生の娘を時々アトリエに連れて来ていた。考えてみると多分その娘が高校生となり親子でデモしていたのかもしれない。そういう家族連れ立ってデモをしていたりするのも、デモが大衆政治文化として根を降ろしている証拠。議会制民主主義のあるべき姿は兎も角、憲法的な正統性はなくともデモの声はフランス民主主義の要素になってしまっている。それを無視した政府はこの国ではやっぱり失格でしょうが、これからどうなることやら?

ところで3月(5-6日?)に紹介した現代ガリバー物語、ある国では千人に一人の割合で青年に背中に翼がはえる。彼等は飛べるようになるが、飛んでいるとある日突然翼が機能しなくなり命を失う運命にある。だから翼のある人で、飛ぶ人と飛ばない人に別れる。飛ぶ人から見ると「翼があるのに飛ばないなんて考えられない」。飛ばない人には「飛ぶ連中は欲情にまかせの無責任な阿呆ども」。CPEの賛成派と反対派にはこのような議論の余地のない価値観の差があるように思われる、、、。