坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

闘牛士には近づくな

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私が一年少し前から始めた「毎日のデッサン」、もうとうに書きたいと思うテーマなどなくなり、毎日紙に向かう時は頭の中は空っぽ、何となく筆を動かしてふとできたイメージから絵を作っていたのだが、10日前から「闘牛士」というクラシックなテーマにはまってしまった。第一作目は偶然だったのだが、2日目、3日目また描きたくなって、一日一枚で終えるはずが金曜日には2作、昨日今日になると何枚も、かつ不透明なグアッシュ絵の具で筆を加えて何度も描き直して、全て気に入らないという「画家の不毛なる日常」に戻ってしまった。一日一枚で「まあこれでいいか」とj気軽にフェースブックに載せて一段落させ、「翌日は翌日」とするのがよかったのだったが、、、。しかし今更何故「マタドール」なのだろう? 闘牛は一生に一度、かつ何十年も前に観たっきりなのに。それに対して絵では、ゴヤ、マネ、ピカソなど、巨匠の作品を沢山見てますねー。かつみんな沢山描いている。陳腐な言い方のなるが「生と死の緊張の一瞬」を捕らえたいと思うと抜け出せなくなる。私なんかに到底手に負える相手ではない。そそくさと退散した方が身の為(昨日今日のデッサンは全てゴミ箱、もう止めと今晩は心に決めている)。しかし津和野の私立美術館で見たゴヤの版画はすごかったなー。そうなのだ11月末に妙なところで数十枚の闘牛シリーズに出くわせてしまっていたのだった。

津和野でその「杜塾美術館」に入ったのは、安野光雅は私のチョイスのには絶対入らなでしょ、北斎もよく見るしでパス、一軒ぐらいは古い屋敷に入ってみたかったところに、入り口から見た建物が立派だった。そして説明に中尾彰・吉浦摩耶という洋画家夫妻がパリに住んだ時の絵があるとあり、意外に私は最近になって自分では描きもしないパリ風景を人がどう描くのか興味を持ち出していて、、、加えて「2階の雨戸のふし穴から差し込む光で、庭園が幻想的に写る」というのにも好奇心がそそられ、当然あったゴヤの銅版画の説明は気にも留めなかったのだが、、、。ご夫婦の絵もふし穴も私には沢山学ぶところあり、建物も含め良い美術館でしたよ。
(写真は3番目のマタドール、この辺までは執着なく描けていたのに)