ブルターニュのシンポジウム(1)食卓篇
シンポジウムの語源は古代ギリシャ語で「一緒に酒を飲む」ということだというのは既に昨年6/17にトルコの画家シンポジウムの件で書いたが、ブルターニュのシンポジウム(8/1+4参考)はなかなかの会食スケジュールだった。開催地はブルターニュ北海岸(実は昔は「北海岸」と呼ばれていたが、イメージが悪いと言うことで現在は「アルモール海岸 Cote d'Armor」と呼ばれる)のヴァル・アンドレ Val-Andre。TGVの停まるサン・ブリユーから約20キロ、広い砂浜のあるなかなか華奢な海岸リゾート。だからレストランの質もただの田舎とは違う。シンポジウムはレストランにスポンサーになってもらっているので毎晩違うレストランの食べ歩き。アーティスト用のお仕着せメニューしか食べられないとは言え、大いに満足。昼はボランティアの人達が腕を競った料理で、これもかなりの水準。そして宿泊は5人のアーティストが各々住民の家に厄介になるが、大きな家の大寝室。毎日良く食べ、「アナ開け鳥」に起されることもなくぐっすり眠り、非常に快適だった。まったく遊びに行ったようなシンポジウム第一稿だが、出張創作では食事と宿が創作エネルギーのもと。これがしっかりしているのはアーティストを尊重している証し。そしてこうして住民との交流が密なのも色々その土地の話が聴けて楽しいし、私の所謂「出たところまかせ」の仕事ではこうして制作の方向が決められることも珍しくない。90点台を与えられる企画だったが、これが得てしてマネージメント能力に欠けるアーティストのイニシャティブになる企画なので余計二重丸をあげたい。