坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

成功の秘訣

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12/28の記事に対し
「『現代社会で成功している作品に社会のニーズにあった新たな要素を加えることが成功への道』は既に同意反復ではないか?

社会的な成功は神代の昔から
1)才能があること
2)時代の空気に合うこと
3)チャンスまたは偶然
の三つと決まっておる。」

とのお叱りを受けた。

確かにそうで、私の議論は「現代アート」の世界での掟を一般化しようとして舌足らずになった。確かに一般社会での成功の要件は以上の3つと相場が決まっている。しかし社会的レベルで認められなくても「現代アート」という狭い業界での成功は可能。それどころか2つの成功はしばしば相反する。そして「現代アート」の狭い業界には業界の物差があり、そこでは意外にアートの善し悪しが簡単につく。そのキーワードはtransgression。この言葉は辞書では「規則違反」と出て来るが、ニュアンスは翻訳し難い。「一線を越える」という感じだが、それは近代西洋の流れ(印象派に以降の表れた「何とか派」の連鎖)を考えてみてもらえば容易に想像してもらえるだろう。「規則違反」するには規則を知っていなければならない。そこで先ず美術界のメインストリームの流れを追う。そこでの最前線に対して批判的な新規性のある表現をする。そういう「規則違反」をする。よく「価値の転覆」などとおおげさな表現もされるが、本当に転覆したら物差が折れてしまうから「規則違反」の方が適確だ。上手い違反はその時期場所を見計らって計画的に。詐欺師が新たな手口を探すようなもので、私はこの種の業界内アーティストの努力を「傾向と対策」と呼ぶ。
だから流れを追わずに勝手に好きなことをしていると普通は成功できないものだが、それが知らぬ間に流れの方が変って「変人が大成功」ってのもある。
以上色々他の業界にも類似の「傾対」現象があるのではと思ったのだが、、、(逆に才能の世界と思われているアート界で「傾対」現象があってびっくりされたかもしれないが)。 

写真は昨日書いた規則違反?の双児卵。現在6個中5個までにいたり、最後が普通ならそれこそ規則違反だ。規則もストリームの中でできるという例です。