坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

避けるべきは最終日

ポンピドーセンターで「イメージの転覆」と称するシュールレアリストの写真と映画の展覧会、今日が最終日。ちょうど私のいなかった9月に始まり、かつポスターが意外に普通の映像なので、同センターの女性写真家の展覧会と混同し、黒一色の抽象画のスーラージュ展がその後始まり、「イメージの、、、」展の内容を確認せず12月のチャンス(12/18参考)に行きそびれた。
先週行ったところまだ正月休み旅行者が多く断念。先程行ったら、先週ほどの人でもなく、知合いにも行列で会ったので、切符を買う列を作る。何分かかったかなー? やれやれで5階の会場に登ったら、、、入場制限をしていて長蛇の列。これで入っても人の頭を見るばかりでうんざりするのは目に見えている。特に昔の写真は小さいし、、、。ポンピドーはアーティストカードが効かなくて9ユーロの割引き料金を払わされているからこのまま帰るのも忍びない。そこで「目標の転覆」! 殆ど興味がなくて友人の誘いも断ったスーラージュ(Pierre Soulages)を見ることにした。
世界的にはそれほど有名とは思えないが、フランスでは大々作家、黒い面を、筆の跡のデコボコと平らなハケの面とか異なった表面で構成、光沢の違いで大きな絵を作る。潔くて気持ちが良いと言えば良いのだが、黒一色は、言っては何だが無難。よっぽどのへまをしない限り何をやっても一応作品になる。気持ち良さも大壁面の快感だから、品の良いインテリア内にいる心地。このストイックな世界の作家、縦縞作家のビュランみたいに難しい理屈をつけるのかなと思って見たビデオにびっくり。「見る場所で違って面白いんだよねー」程度、全然難しいことを言わず、気の善さそうなおじさんで、仕事好きな職人さんという感じ。そういうこともありかと不思議な発見をして帰って来た。特に私には興味がない世界だが、少なくとも2枚は錯覚を招くような面白い絵があったから、まあこれはこれでOK。
実はゆっくり見て空いていたら、再度シュールに逆戻り、と思っていたのだが、まだまだ長蛇の列。ちょっと来るのが早すぎた。多分最終時間の8時過ぎならば??? とにもかくにも避けるべきは最終日。