坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

ニューヨーク

ナンタケットから朝6時のバスに乗り、戻ってきたNY! ずーっと田舎にいたせいか、第一印象は「東京にみたい!」:人が多い、うるさい、広告の氾濫、それに通りに料理の匂いが一杯。かつ汚いパリから来たはずなのにこんなに汚かったかなーと、、、でもキレイキレイしたコネティカットにいたから逆にちょっと一安心するところもある。木曜日は大学時代の友人O君の紹介で日本人画家のMさんのアトリエをお邪魔し、その後にはMさんのご主人の日本学教授の鳩山内閣に関する講演。翌日にはMさんのアトリエで会った彫刻家のJさんのブルックリンのアトリエも翌日(金)に訪問、近所のギャラリーやイサム・ノグチ美術館などに連れて行ってもらい、連日楽しく充実して過ごした。
数年前に来た時、蚤の市や古着屋がとても面白かったので週末を楽しみにしていたのだが、今回は全然気を引く物がない。せっかくI-PARKのギャラを現金で持ち歩いているのに、、、。チェルシーからイーストヴィレッジ、そしてブルックリンまではしごをしたのだが、景気が悪いと掘り出し物がなくなるのか?(ブルックリンの7番?アヴェニューは以前来た時のイーストヴィレッジみたいな和んだ感じがあって歩いて楽しかった)。

日曜は久しぶりの雨天のこともあり休憩。最終日の月曜はパリで見逃したカンディンスキーの回顧展をグッゲンハイムで。見直したと言っては失礼だが素晴らしかった。螺旋階段は見渡せて回顧展にはむいているみたい。
グッゲンハイムではオーディオガイドを無料で貸してくれるので学芸員の解説をきいたが、ちょっとあきれた。「『青い騎士』での馬に乗る騎士は新たな領域に踏み込もうとする自分自身の姿だ」というのだが、誰でも解釈しろと問われればそうした連想をするだろう。しかし絵を見るのにそういう解釈が本当に必要なのだろうか? 以降の絵でもカンディンスキーが抽象を目指す話をしつつ、すべての形象に意味付けをするのは何なのだろう?(バウハウスで教えたカンディンスキーは色彩の意味について色々書いたから彼の責任でもあるが)。絵に何が描いてあるか納得させる解説(言われるとその解釈に染まる)にうんざりし、イヤホンを螺旋廊下から下に放り投げたくなった。