坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

エルンストとパー

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昨日はオルセー美術館マックス・エルンスト Max Ernst のコラージュ(貼り絵)"La semaine de bonte" (良き一週間:天地創造の一週間のこと)見に。エルンストは昔からコンスタントに好きな作家だし、184点あるコラージュのオリジナルを一同に集めた展覧会は36年以来初めて。大衆小説などの本の挿し絵をベースに貼っているので作品は小さいし、オルセーは混んでいるので休みの後にしたかったが、アメリカから戻った後ではもう終ってしまう。それで夜9:30まで開館の木曜日の晩をねらった。彼の作品はシューレアリストの中で精神分析的なところが鼻につかないのが私が好きな理由だと思うが、荒唐無稽のお笑いと寓話性、エロチシズムが混ざってやはりとても面白い。特に日曜から水曜までは力作ぞろい(これは月曜ではなく日曜から始まる)。金土はさすがのエルンストも少し疲れたか?(趣向も抽象的にしてドラマ性をなくしたので難しくなったのかも) でも疲れても不思議はない。彼は北イタリアのヴィゴレノ滞在中の3週間の間に全て作った。つまり1日平均約9作。小さいとはいえ挿し絵を選んで考え、そして切り貼るの手仕事。はなから小さいし、怒濤の波などなかなか切るのが大変だし、貼った跡もよく見ないとわからないほど細かい仕事をしているから驚きだ。彼がフォトショップが使えたら1日で何点作ったであろうか! おそろしや。9/13日まで。

そして今日はこれも私がファンの英写真家マルチン・パー Martin Parr を見にジュ・ド・ポムへ。パーは数年前にヨーロッパ写真館で大展覧会があったばっかりだし、大体知っているからな-とは思ったのだが、同じような理由でカンディンスキーを見逃したのでちょっと反省、足を運んだ。美術館の前、写真のようにコンコルド広場に面して観光を諧謔したsmall world シリーズが並んでいる。やっぱり知っているのを見るのかと思いつつ中に入ったら、展覧会の半分は彼のコレクション。絵葉書、土産物(その中にはスプートニクス打ち上げ成功の記念品からオバマ・コーラ、オバマ・ケチャップ、それにオバマ・パンツなんていうつい最近の馬鹿馬鹿しいものまで)、そして主に60年代の英ドキュメンタリ-写真など。彼の世界に極めて近いインスピレーションの元ともいえる品々、作品をあからさまにして、「オリジナリティーなんてないんですよー」て自虐しているのかと思ったが、2階の金持ち階級を撮った新作を見たら、やっぱりこの人、よくこんな場面を見つけるもの、大したものだと思いなおしました。これは9/27まで。

ところでYesのグループ名の由来に関して、検索も謎の翻訳俳句の原句探しにも長けたEさんが次のリンクを送って下さった。
http://jia-kinki.org/jyutaku/index.php?e=53
バンド名はともかく、私が納得することが色々書いてあり面白かったので御参考に。